金沢は小京都ではなく、金沢という個を持った都市。誇り高いこの都市の中でも、とりわけこの東山の、卯辰山山麓の街並みは異次元で、非日常な雰囲気が漂っています。観光客でにぎわうひがし茶屋街や浅野川はもちろん魅力的ですが、二丁目界隈、藩政期からの旧町名が残るこの地域は卯辰山山麓寺院群があり、由緒正しい寺院が多くあります。市は卯辰山麓伝統的建造物群保存地区を指定し、その中の複数の建物を伝統的建造物と決め、保存していくことに決めました。まさに、この建物もその指定を受けた貴重な建築物です。この度、明治時代にこの建物がどのように建っていたか、歴史の研究に携わっている方々から資料をかき集め、当時の意匠を研究したうえ再現させることに成功しました。そうしてようやく市から補助金を受けるに至ったのですが、この計画の道のりはとても険しく煩雑でした。また今後この建物については、所有をしても好きなように改装できるものではなく、文化的に貴重な財産としての扱いになります。この建物の文化的価値をよくご理解いただける方なら、この価格で本物件が手に入るのはありえないこととわかるはずです。未来永劫引き継がれていく建物、金沢の歴史の中で、暮らしてみませんか。